オフフレーバーキット

目次

オフフレーバーキットについて

オフフレーバーキットは、においの性質を覚えるための学習キットです。オフフレーバーの認識を共有することができます。

企画立案:一般社団法人 オフフレーバー研究会
製造販売:林純薬工業株式会社

においの質を覚える臭質トレーニング

オフフレーバーの発見には、人の嗅覚が一番のツールです。
オフフレーバーの閾値(においを感じる最小の量)は一般的に非常に低く、ごく微量であってもにおいを感じます。

オフフレーバーの発見には機器分析も用いられますが、測定に時間がかかり早期の対策が難しいとされています。
一方、個人差はあるものの、人の嗅覚はすぐに「いつもと違う」と感じることができます。
オフフレーバー対策には、発生する可能性のあるオフフレーバーだけでなく、普段の状況を注意深く把握した上で「いつもと違う」と気付き、対応できるスキルを身につけた人材を育成することが重要です。

合計19種類の臭気物質

オフフレーバーキットは、食品業界に特徴的なオフフレーバーの臭質を覚えるのに役立ちます。
「オフフレーバーキット」には、食品等のオフフレーバー事例に多い薬品臭、かび臭など10種類の臭質サンプルを用意しています。
また「オフフレーバーキットⅡ」には、包材・製造資材由来のポリ臭や金属臭など9種類のサンプルとコントロール(溶媒:プロピレングリコール 無臭)が含まれています。

さまざまな人材への活用

オフフレーバーは製品の製造からお客様の手元に届くまで、どの場面でも発生する可能性があります。そのため、各工程でチェックする必要があり、それぞれの担当者はオフフレーバーについて知っておく必要があります。

工場の製造・開発部門、流通部門、販売店舗におけるカスタマーサービス部門、品質管理や検査部門の方など、さまざまな担当者がオフフレーバーキットを活用することで、オフフレーバーの体験・共有、嗅覚官能検査パネルのトレーニングが可能です。

オフフレーバーの影響

オフフレーバーは特に食品業界においては深刻な問題です。
発生すると製品の品質低下はもちろんのこと、ブランドや製品に対するイメージが損なわれます。さらに、製品回収が必要となれば、大きな経済的損失が発生します。

オフフレーバーの発生要因は、食品成分自体の化学変化や腐敗、梱包資材や室内環境からのにおい物質の混入・着臭など多岐にわたります。この問題に対処するためには、オフフレーバーの発生原因や原因物質を理解し、予防や対応方法を把握することが重要です。

また、オフフレーバーの問題に対応するため、においの質を判定できる人材が必要です。しかし、オフフレーバーの情報は少なく、判定のためのトレーニングは難しいのが現状です。 オフフレーバーキットの活用は、この課題に対処する手段として効果的です。オフフレーバーキットを使用することで、代表的なオフフレーバーのにおいを体験し、その質を覚えることができます。万が一、オフフレーバーが発生した場合も問題となるにおい物質を早期に特定できる可能性があります。

含有成分とにおいの質

オフフレーバーキット 官能評価用


オフフレーバーキット

No. 化合物名 濃度 においの質
1 グアヤコール 0.5%以下 薬品臭 胃腸用丸薬のにおい、歯科用薬のにおい
2 ジメチルジスルフィド 0.5%以下 ニンニクのような臭い、野菜の腐敗臭
3 ナフタレン 0.5%以下 防虫剤臭
4 2-メチルイソボルネオール 0.5%以下 かび臭、墨汁臭
5 トリメチルアミン 0.5%以下 腐敗臭、魚の腐敗臭、スルメのにおい
6 2,4-デカジエナール 0.5%以下 油の酸化臭、使い古した天ぷら油臭
7 トルエン 0.5%以下 シンナー臭、溶剤臭
8 2,4,6-トリクロロアニソール 0.5%以下 かび臭
9 n-吉草酸 0.5%以下 不快臭、汗くさい臭い、靴下のむれた臭い
10 2,6-ジクロロフェノール 0.5%以下 消毒臭、塩素臭

オフフレーバーキットⅡ 官能評価用


オフフレーバーキットⅡ

No. 化合物名 濃度 においの質
1 4-メチル-3-ヘキセン酸 3%以下 雑巾様臭、生乾き臭
2 メチルエチルケトン 3%以下 溶剤臭
3 2,4,6-トリブロモアニソール 3%以下 かび臭
4 2-トリデカノン 3%以下 樹脂様臭、加熱劣化臭
5 1-オクテン-3-オン 3%以下 金属様臭
6 n-ヘキサナール 3%以下 紙・段ボール様臭、青臭い
7 n-ヘプタナール 3%以下 魚様臭
8 酪酸 3%以下 腐敗臭
9 酢酸エチル 3%以下 シンナー臭
10 プロピレングリコール 99%以上 においなし(ブランク)

オフフレーバーキットの使用例

オフフレーバーキット、オフフレーバーキットⅡの使用方法について一例をご紹介します。

  1. 使用前に室温に戻す
    使用前に、あらかじめ冷蔵から室温に戻してください。
  2. におい紙に臭質サンプルを付ける
    におい紙の先に瓶の中の液体を付けてください。
    粘性があるので、つけ過ぎると垂れることがあります。瓶のねじ口部分や瓶の外側、周囲の机や床などを汚さないようにご注意ください。
  3. においを嗅ぐ
    におい紙の先端の付着部分を鼻に近づけ、その臭質を確認してください。
    続けて何度か嗅いでいると嗅覚が順応して判りにくくなる場合があるため、自分の腕などを嗅いで嗅覚をリセットするか、適宜休憩を挟んでください。
  4. 使用後はキャップとアルミホイルで密閉
    使用後は、キャップをしっかり締め、アルミホイルで瓶を包んで臭気が漏れないようにし、冷蔵で保管してください。

出典:学習/トレーニング用 臭質サンプル オフフレーバーキット | 一般社団法人 オフフレーバー研究会
学習/トレーニング用 臭質サンプル オフフレーバーキットⅡ | 一般社団法人 オフフレーバー研究会

関連製品

オフフレーバーライブラリTOP