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ぬれ張力試験用混合液

ぬれ張力試験とは、プラスチックフィルムや金属などの物質に液体を塗布した際、その液体がどれだけ広がるか、またははじかれるかを評価する試験です。
たとえば、コロナ処理を施したプラスチックフィルムの表面活性化度合いの評価試験に用いられます。

当社では、ぬれ張力試験に使用できる36種類（22.6～73.0mN/m）のぬれ張力試験用混合液を取り揃えています。
お客さまのご指定容量でカスタマイズ可能ですので、ご希望の場合はお気軽にご相談ください。

※当社のぬれ張力試験用混合液には、ぬれ張力試験の判定がしやすいように青～緑色の色素を添加しています。

ぬれ張力試験とは

ぬれ張力とは、固体表面に液体を塗布した際に、ぬれる程度を示す尺度です。ぬれている面積が広いほど親水性が高いと判断できます。
フッ素でコーティングされたガラス表面などは水をはじくため、疎水性が高い（ぬれにくい）ことを示します。

ぬれ張力の測定方法

ぬれ張力の測定方法は、日本産業規格（JIS K 6768:1999　プラスチック-フィルム及びシート-ぬれ張力試験方法）で規定されています。プラスチックフィルムや金属、ガラスなどの表面に、ぬれ張力試験用混合液を綿棒などで塗布して評価します。
ぬれ張力試験用混合液の単位は、表面張力値のSI単位系で用いられるmN/m（ミリニュートン毎メートル）で表し、CGS単位系はdyn/cm（ダイン毎センチメートル）で表します。
ぬれ張力試験では、表面張力値を22.6～73.0mN/mの範囲で調製した36種類の混合液を用いて、段階的にぬれ張力を判定していきます。
この測定方法は、接触角測定とは異なり、湾曲した物質に対しても判定できるメリットがあります。

ぬれ張力試験ー測定手順と判定方法
（JIS K 6768:1999　プラスチック-フィルム及びシート-ぬれ張力試験方法）

１．測定は、温度23℃、相対湿度50%の標準試験室雰囲気（JIS K 7100）で行う

２．試験片の上に試験用混合液を数滴滴下する

３．直ちにワイヤバー（代替として綿棒又はブラシを使用してもよい）を使用して試験用混合液を広げる

※綿棒またはブラシを使用する場合は、液体は少なくとも6cm2以上の面積に速やかに広げる。液体の量は、たまりを作らないで、薄層を形成する程度にする

判定方法

ぬれ張力の判定は、試薬を塗布してから2秒後の液膜の状態で行います。

液膜が破れを生じないで2秒以上保つ（ぬれている）	液膜が2秒以下で破れを生じる（ぬれていない）
使用している混合液の、次にぬれ張力の高い試薬（→73.0mN/m）で再度判定	使用している混合液の、次にぬれ張力の低い試薬（→22.6mN/m）で再度判定

手順

① 2秒後の液膜が破れを生じる、もしくは破れを生じずに2秒保つ場合は、適正になるまで操作を繰り返します。
② この操作を繰り返し、試験片の表面を2秒間ぬらすことができる混合液を選びます。
③ 同様の操作を少なくとも3回行います。

※各試験の度、新しい綿棒を使用する。ブラシやワイヤバーは、使用ごとメタノールで洗浄し、乾燥させる

ぬれている

ぬれていない

【ぬれ張力試験用混合液の選び方】

ぬれ張力試験では、mN/m（ミリニュートン/メートル）を表面張力係数または表面エネルギーの単位として使用します。
これは、液体の表面が凝集する力を1メートルあたりのミリニュートンで示しています。
表面張力係数は物質の性質に依存し、液体の表面が凝集を受ける傾向を示す指標となります。ぬれ張力試験をはじめとする表面張力の測定や比較などの実験ではmN/mが一般的に使用されます。

当社では表面張力値を22.6～73.0mN/mで調製した36種のぬれ張力試験用混合液をラインアップしています。ぬれ張力試験では、測定試料と近しいmN/mを参考に混合液の選定が可能です。もし、mN/mがご不明な場合は網羅的に試薬を取り揃えた試験をおすすめします。