分析精度

環境問題の研究に必要な紫外線吸収剤の安定同位元素標識体標準品を製品化

課題:分析の精度を高めたいが、必要なサロゲートが手に入らない

T大学のある研究室では、環境汚染問題に関する研究を行っています。その研究の一環として、海鳥の体内にあるマイクロプラスチックを調査した結果、紫外線吸収剤であるUV-328が検出されました。その詳細を明らかにするため、当初は市販の標準品を使用して分析を行っていましたが、より信頼性の高い定量を行うため、安定同位体で標識されたUV-328の標準品が必要になりました。しかし、安定同位体で標識されたUV-328の標準品の既製品はなく、入手できませんでした。そこで、当社の受託合成の実績や少量の合成にも対応する柔軟性を評価いただき、ご相談いただきました。

課題解決:UV-328の安定同位元素標識化合物を合成後、製品化を行い環境問題の研究に貢献

当社でUV-328の安定同位元素標識体を合成し、T大学で評価していただきました。その後、標準品として製品化から販売まで行い、いつでも比較的安価にご入手いただけるようになりました(製品名:UV-328-13C6)。
UV-328は令和5年5月「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」で廃絶対象に追加された物質です。国内でも化審法(化学物質審査規制法)の第一種特定化学物質の対象になっています。環境中に残留する物質であり、環境問題の研究者からも注目されています。

お客さまの効果・メリット

  • 安定同位体で標識された既製品がなかった物質を研究に使用できた
  • 信頼性のある分析方法を確立できた
  • 製品化により研究コストが軽減できた
  • 研究用の標準品を調達する時間と労力を削減できた。

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