Hongene Biotech Corporation 注目アイテム 1メチルシュードウリジン(1-N-Me-Pseudo UTP)

目次

1メチルシュードウリジンとは

ウリジンの異性体で、リボース環とウラシルの間のグリコシド結合のN-C結合がC-C結合に置き換わり、ピリミジン環のN1位の水素がメチル基に置き換わったヌクレオシドです。
昨今、新型コロナウイルスのmRNAワクチンに用いられたことで注目されている化合物です。

  • ウリジンUridine

    ウリジン
  • シュードウリジンPseudouridine

    シュードウリジン
  • 1メチルシュードウリジン1-N-Me-Pseudouridine

    1メチルシュードウリジン

ウリジンをシュードウリジンに置換

mRNAをin vitro転写により大量に製造し、医薬品として応用するという発想は、かねてより多くの研究機関や大学で研究されていました。
しかし、mRNAワクチンをウリジン型のまま生体内に投与すると、Toll様受容体の活性化を促し、自然免疫が惹起されます。mRNAワクチンを取り込んだホストセルはウイルス蛋白質を合成するまえに免疫応答によって排除され、ワクチン効果を発揮しないという課題がありました。

2005年、RNAの修飾機構を専門とするカリコー・カタリン博士らは、mRNAのウリジンをウリジン異性体であるシュードウリジンに置換することによって、免疫応答から回避できることを発見1)2)。この発見が新型コロナウイルスmRNAワクチンの開発を大きく前進させる事となりました。
さらに、2015年には、シュードウリジンよりも1メチルシュードウリジンに置換したmRNAのほうが、蛋白質の発現量が亢進され、ワクチン効果を高められるという報告が続きました3)

ウリジンをシュードウリジンに置換
  • 1)Karikó K, Buckstein M, Ni H, Weissman D. Suppression of RNA recognition by Toll-like receptors: the impact of nucleoside modification and the evolutionary origin of RNA. Immunity. 2005;23:165–75.
  • 2)Karikó K, Muramatsu H, Welsh FA, Ludwig J, Kato H, Akira S, Weissman D. Incorporation of pseudouridine into mRNA yields superior nonimmunogenic vector with increased translational capacity and biological stability. Mol Ther.2008 November;16(11): 1833-40.
  • 3)Andries O, Mc Cafferty S, De Smedt S, Weiss R, Sanders N, Kitada T. N(1)-methylpseudouridine-incorporated mRNA outperforms pseudouridine-incorporated mRNA by providing enhanced protein expression and reduced immunogenicity in mammalian cell lines and mice. J Control Release.2015 Nov 10;217:337-44.

Hongene Biotech Corporation製品 1メチルシュードウリジン(1-N-Me-Pseudo UTP)

林純薬工業では1メチルシュードウリジンをご提供しています。
試薬ダイレクトに記載されていない化合物のお取り寄せなどもお気軽にお問い合わせください。

品名 品番 容量
1メチルシュードウリジン mRNA合成用試薬, 100mM 99057860 1mL
項目 規格値
純度(HPLC area%) 99%
濃度 100mM±5%
pH 7.0±0.1
品質管理 DNase,RNase不含
保管温度 -20℃

関連製品

お問い合わせ

お客様のご要望に応じたお見積りも可能です。お気軽にお問い合わせください。

ご相談・お見積もり

資料ダウンロード

核酸合成に関する各資料をダウンロードできます。面倒なフォーム入力なしでDLが可能ですので検討用資料としてご活用ください。

資料のダウンロード

核酸合成ライブラリTOP