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pH測定方法
pHとは
- pHとは、水溶液中の水素イオン濃度[H+]を表す単位です。
- 化学で濃度を表す単位にモル濃度(mol/L)があります。しかし、水素イオン濃度をモル濃度で表した場合、中性溶液であれば10-7mol/L、0.01mol/L水酸化ナトリウム溶液であれば10-12mol/Lのように、非常に小さい値となってしまいます。そこで、より使いやすい単位として、水素イオン濃度[H+] =10-nmol/Lと表したときのnの値をpHと定義しています。
- [H+]=10-nmol/LのときpH=n例)水素イオン濃度 10-7mol/Lは、pH=7
- pHには0~14までの値があり、純水の場合pH=7となり、これを中性とします。これを境にpH<7の場合を酸性、pH>7の場合をアルカリ性といいます。
- JIS Z8802「pH測定方法」では「ピーエッチ」又は「ピーエイチ」と統一されていますが、一般的には、「ペーハー」、「ピーエッチ」のどちらの読み方でも使われています。
pH測定方法
pH測定方法には様々な種類があり、こちらでは試薬分析でよく用いられる
①pH指示薬を用いる方法
②ガラス電極を用いる方法について、ご紹介します。
①pH指示薬を用いる方法
ブロモチモールブルー(BTB)溶液、フェノールフタレイン溶液などの試薬を用いる測定方法です。精度は期待できませんが、簡便に判定できる点が魅力的です。
- pH指示薬の商品は、以下の通りです。
- カテゴリ「pH測定用指示薬」
- 尚、pH指示薬の変色範囲はこちらをご参照下さい。
- お役立ち情報「指示薬の変色範囲」
②ガラス電極を用いる方法
- ガラス電極を用いるpH測定方法は、ガラス電極と比較電極の2本の電極を用い、この2本の電極の間に生じた電位差を測定する方法です。特殊なガラスの薄膜の両側にpHの異なった溶液があると、ガラスの薄膜部分に両方の溶液のpHの差に比例した起電力が発生します。
- この方法は,電位の平衡時間が早く再現性が良いこと、及び酸化剤や還元剤の影響が少ないことから最も多く用いられています。試薬のpH測定方法は、通常、液温25°C±0.5°Cの恒温水槽に浸した試料溶液にて測定します。
- pH標準液の商品は、以下の通りです。
- カテゴリ「pH標準液」
pH標準液の使用上の注意
pH標準液は、長期間の保存によってpH値が変化することがあります。例えば、ほう酸塩pH標準液pH9.18及び炭酸塩pH標準液pH10.01は、二酸化炭素などを吸収してpH値が低下することがあります。
一度使用したもの、及び大気中に開放して放置したものは、再度使用しないようにして下さい。
引用文献
- JIS Z8802 pH測定方法
- JIS K8001 試薬試験方法通則 附属書JB.2.4 pH