情報誌 HPC NEWS vol.38 食品・環境分析の最新技術や話題をご紹介

情報誌 HPC NEWS vol.38

米国に於ける家畜用薬品の登録と規制

カリフォルニア大学 デービス校 環境毒性学部 柴本 崇行

はじめに

安全かつ有効な家畜用薬品の登録と規制の為の資料作成には莫大な費用と時間が掛かる。 例えば、薬品会社が薬品一品の登録許可をFDA/CVM(Center for Veterinary Medicine)から得る為には少なくとも8年から10年の鋭意研究と平均$20 million(約24億円)の研究費が必要である。

それに加えて新商標を得るのに$2millionから$8million(約2億4000万から9億4000万円)必要である。これらの費用を負担できるのは所謂major speciesつまり、牛、豚、鶏、七面鶏、魚介類等を扱う大企業のみである。その他のminor species、つまり、羊、ヤギ、鹿鴨等を扱う小企業ではこの費用を負担するのは不可能である。

従って、現在これらminor animalに使える薬品はごく限られたものしかない。これは、家畜生産上及び経済的にもかなりの痛手である。従って、農薬の登録と同様国家レベルの支援が必要である。FDA(Food and Drug Administration)は獣医や家畜の生産者が登録されていない薬品を使用していることをある程度承知しているが、違法に使われた薬品は家畜に悪影響を与えるだけではなく、家畜に蓄積された残留物が食した人間に悪影響を与える可能性がありこれらのことは各家畜の生産者にとっても重要な問題である。

詳しくはPDF資料をご覧ください。