水の規格 日本薬局方
※このページでは水の規格(日本薬局方)を基礎知識としてご紹介しています。
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医薬品の試験に用いる水
第十五改正日本薬局方(JP15)までは、「医薬品の試験に用いる水は、別に規定するもののほか、「精製水」とする」と規定され、製薬用水各条に規定された「精製水」を用いることとされていました。第十六改正日本薬局方(JP16)では、「医薬品等の試験に用いる水は、試験を妨害する物質を含まないなど、試験を行うのに適した水とする。」と改正されました。
- 【改正の経緯】
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試験方法によって要求される水質が異なることによるものですが、新たにどの程度の水質のものを試験に用いるか試験毎に検証が必要となりました。
日本薬局方の一般試験方法の中で規定されている試験用の水(例)
アンモニウム試験用水:1.02 アンモニウム試験法
調製
水1500mLに対して硫酸4.5mLを注意しながら加えた後、硬質ガラス製蒸留器を用いて蒸留し、初留を十分に除いた後、留液(アンモニウム不含の水)を用いる。
純度試験
本品40mLをとり、フェノール・ペンタシアノニトロシル鉄(Ⅲ)酸ナトリウム試液6.0mLを加えて混和する。次に次亜塩素酸ナトリウム・水酸化ナトリウム試液4.0mLを加えて混和した後、60分間放置した液につき、水を対照とし、紫外可視吸光度測定法により試験を行うとき、波長640nmにおける吸光度は0.010以下である。
有機体炭素の測定に用いる水(測定用水):2.59 有機体炭素試験法
標準液又は分解助剤などの調製及び試験器具の最終すすぎなどに用いる水で、その有機体炭素値は、 容器に採取して有機体炭素の測定を行うとき、その炭素値が、0.250mg/L以下のものを用いる。
ICP分析用水:2.63誘導結合プラズマ発光分光分析法及び誘導結合プラズマ質量分析法
不純物が分析対象元素に干渉しないことを確認しておく必要がある。ここで、ICP分析用水とは、その導電率が1μS・cm(25℃)以下の水とする。
エンドトキシン試験用水:4.01エンドトキシン試験法
医薬品各条の「注射用水」若しくは「注射用水(容器入り)」又はその水で、エンドトキシン試験に用いるライセート試薬の検出限界以上の濃度のエンドトキシンを含まず、エンドトキシン試験を行うのに適したもの。
微粒子試験用水(注射剤試験用):6.07注射剤の不溶性微粒子試験法
孔径0.45μm以下のメンブランフィルターを通した水で、自動微粒子測定装置を用いて測定した 不溶性微粒子数は、10mL当たり10μm以上のもの5個以下、25μm以上のもの2個以下である。
微粒子試験用水(点眼剤試験用):6.08点眼剤の不溶性微粒子試験法
用事、孔径0.45μm以下のメンブランフィルターを用いてろ過して製した水で、10μm以上の不溶性微粒子数は、100mL当たり10個以下である。
微粒子試験用水(プラスチック製医薬品容器試験用):7.02プラスチック製医薬品容器試験法の微粒子試験
微粒子試験法により試験するとき、5~10μmの粒子数が1.0mLにつき、0.5個以下のものを用いる。
アルミニウム試験用水:中心静脈栄養剤中の微量アルミニウム試験法
アルミニウム濃度1ppb以下の水を用いる。