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電量滴定法
目次
電量滴定法とは
カールフィッシャー法による水分測定は、ヨウ素(I2)と水(H2O)が一定の割合(1:1)で反応することを利用します。
電量滴定法は、電気分解によってヨウ素を生成し、電気分解に要した電気量から水分量を求める方法です。
特徴
- 測定可能な水分量は1㎎以下で微量の水分量でも測定が可能
- 力価測定が不要
測定の原理
電量滴定法の水分計には、発生電極と呼ばれる電極が使用されます。発生電極の中に陰極液が注入され、底部に隔膜が装着されたタイプが主流です。陽極液は、発生電極の周辺に注入されます。
陽極液を電気分解することで、陽極液中のヨウ素イオンが酸化されてヨウ素になります。生成したヨウ素は、サンプルから抽出された陽極液中の水分と反応します。電気分解に要した電気量と、水分との反応に要したヨウ素の量は比例するため(ファラデーの法則)、これを利用してサンプル中の水分量を算出します。
必要なサンプル量の目安
測定の精度を高めるために、全体の水分量を0.1~1 mg程度になるようにサンプルの量を調整してください。
微量水分分析の場合は、0.1 mg以下の水分量も測定可能です。 機器の校正がされていて妨害反応がない場合など、最適な測定条件下では、0.01mgレベルの水分量も測定可能です。
電量滴定法に必要なカールフィッシャー試薬
必要な試薬
測定装置にある発生電極の底部に、隔膜が装着されている場合とされていない場合で、必要な試薬は異なります。主流は隔膜がある方で、日本薬局方(JP)でも認められた方法です。
隔膜あり
隔膜があるものでは、陽極液(発生液)と陰極液(対極液)の両方を使用します。
- 陽極液(発生液) 陽極液は、ヨウ素イオンを含み、測定の際に電気分解によって酸化されヨウ素に変わります。さらに陽極液には、化学反応を促進させるため、二酸化硫黄(SO2)、塩基性物質(イミダゾールなど)、アルコールなどが含まれます。サンプルは、陽極液に溶解して水分を抽出します。
- 陰極液(対極液) 陰極液は、カールフィッシャー反応の副生成物が、陽極での反応を阻害することなく進行する役割を持っています。
隔膜なし
隔膜がないものは専用のカールフィッシャー試薬を使用します。
陽極液(発生液)と陰極液(対極液)の組み合わせ
陽極液と陰極液には、さまざまな種類があるため、目的に応じた適切な試薬を選ぶ必要があります。測定したいサンプルが、ケトン類・アルデヒド類、油類などであるかによって、使用する試薬を選定します。また、メタノールやクロロホルムなどを含む試薬を使用する場合は、取り扱いには十分注意しなければなりません。
詳細は、以下の「電量滴定法用試薬ガイド」のページをご覧ください。