情報誌 HPC NEWS vol.41 食品・環境分析の最新技術や話題をご紹介

情報誌 HPC NEWS vol.41

コーヒー中のクロロゲン酸類の分析の現状と問題点

カリフォルニア大学 デービス校 環境毒性学部 柴本 崇行

はじめに

クロロゲン酸が植物中に存在することは表1に示した様によく知られている事である。特にコーヒー中に存在している事はその抗酸化等の人体に対する生理活性効果の面から非常に意味の有る事である。

コーヒーの健康効果については1996年にサンフランシスコのアメリカ化学会での発表後、かなりの数の報告があるがこれについては詳しく後で述べる。コーヒーは9世紀半ばにエチオピアで偶然羊飼いによって発見され、12世紀始めにアラビア半島で最初のコーヒーの植林がなされた。

時代が下って、15、16、17世紀になると、ヨーロッパ及び当時の新大陸であるアメリカに伝わっている。面白いのは17世紀の中頃イギリスのコーヒー店で迅速なサービスに対して払われたチップ、つまり"To Insure Prompt Service"(TIPS)がいまだに世界中で使われている事である。その後2、3世紀を経て、コーヒーが全世界にひろがり、現在では油の次に世界に行渡っている食品用である。この様にコーヒーは千年以上無数の人間によって愛用されて来た飲み物である。従って、コーヒーには何か人体に対する有効成分が含まれているはずである。

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