情報誌 HPC NEWS vol.36 食品・環境分析の最新技術や話題をご紹介

情報誌 HPC NEWS vol.36

残留農薬における中国の食品安全体制

株式会社アジア食品安全研究センター青島中検誠誉食品検測有限公司 佐藤 元昭

はじめに

わが国の食料自給率は1965年に73%(カロリーベース)であったものが年々低下を続け、この数年間は辛うじて40%を維持している。穀物(飼料を含む)の場合はさらに深刻で27~28%と低迷を続けており、食料の大部分を外国産の機産物に依存している。このため我が国の食料自給率は、国連加盟国内で上から数えて百数十番目に位置しており、北朝鮮やアフリカ諸国とその低さを競っている。

このような状況の中で、2002年春から秋にかけて中国から輸入した冷凍ホウレンソウから、我が国の残留基準値0.01ppmを大幅に超えたクロルピリホスが検出されたとする報道が相次いだ。また、これを切掛けに他の農作物や中国以外の国からの農作物等も調べてみると、我が国では残留基準値を設定していない農薬が多種類検出されることが判明した。これらのことから、2003年5月末に食品衛生法が大幅に改正され、食品の栽培・飼育・養殖に関わる全ての農薬や動物用医薬品等約800種類に対する残留基準値が設定された。そして、この基準値設定がされなかった農薬等が残留する食品は流通・販売を禁止するいわゆる『ポジティブリスト制』が2006年5月末から施行された。

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