コンクリートの中性化深さの測定に使用できるフェノールフタレイン・エタノール溶液
コンクリートの中性化深さの測定方法や測定に使用できる試薬は、日本産業規格(JIS A 1152)で定められています。
このページでは、コンクリートの中性化についての基礎知識や測定に使用できる試薬についてご紹介します。
コンクリートの中性化について
コンクリートの中性化とは、劣化因子(二酸化炭素など)によってコンクリートのpHが中性へと変化することです。
本来、コンクリートはpH12以上の強アルカリ性を示します。しかし、長時間経過すると劣化で表面に亀裂が生じ、そこから大気中に含まれる二酸化炭素などが浸透します。二酸化炭素は、コンクリートの主成分である水酸化カルシウムと反応し炭酸カルシウムを生成するので、コンクリートのpHが低下し、中性に近づきます。
コンクリートの中性化による劣化
コンクリートの中性化が進むと、不動態被膜が破壊され、鉄筋などの鋼材が腐食します。
腐食により鋼材にさびが発生すると、体積が膨張し、さらにコンクリートのひび割れや剥離が発生します。その箇所から中性化がさらに進むため、コンクリートはより一層腐食します。
コンクリート構造物の耐久性評価や建物の寿命の予測を行う際は、中性化深さを測定し、劣化状況を把握しなければなりません。
コンクリートの中性化深さの測定方法
コンクリートの中性化深さの測定方法は、日本産業規格(JIS A 1152)で定められています。
測定は、フェノールフタレイン溶液をコンクリートに噴霧して行います。表面からどの程度の深さまでアルカリ性を失っているかを色で判断する方法です。測定面は、コンクリート表面から赤紫色に変色するまで(無色部分)の距離となり、赤紫色に変色する部分をアルカリ性、無色部分を中性化と判断します。
コンクリートのはつり面や抜き取ったコアにフェノールフタレイン溶液を吹きかける
無色 :中性化している
赤紫色:中性化していない
中性化深さ測定に使用できる試薬
中性化深さを測定する際に使用する試薬は、日本産業規格(JIS A 1152)で「JIS K 8001のJA.5(指示薬)に規定するフェノールフタレイン溶液又はこれと同等の性能をもつ試薬を用いる。」と明記されています。
当社のフェノールフタレイン溶液は、変色範囲(pH)7.8~10.0で変色し、pH13強までのアルカリ性では赤紫色に変わります。
当社では、日本産業規格(JIS A 1152)に準拠したフェノールフタレイン溶液を取り扱っています。ぜひコンクリート中性化深さの測定にご利用ください。