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核酸医薬品 -基礎知識-

核酸医薬品とは

核酸医薬品(Oligonucleotide Therapeutics)とは核酸(DNAやRNA)を基本骨格とする医薬品で、遺伝子医薬と異なり、タンパク質をコードせず、核酸そのものが機能を持つ医薬品の総称です。核酸医薬品には直接メッセンジャーRNA(mRNA)などに作用するsiRNA、アンチセンスなどの種類があります。また、核酸そのものが抗体のような作用を持つアプタマーなどの種類もあります。

核酸医薬品とは

核酸医薬品をはじめとする 創薬モダリティの流れ

創薬モダリティの近年の流れでは、1980年頃からの有機合成化学の進展による低分子医薬品創薬から、2010年頃からの核酸工学の進展による核酸医薬品創薬への変貌が目立ってきております。
創薬モダリティは、有機合成化学を基盤とする化学合成により製造される創薬と、バイオテクノロジーを基盤とする生物生産により製造される創薬の2種類に大きく分けられますが、核酸医薬品の多くは有機合成化学を基盤として製造されます。

年代別推移

年代別推移

核酸医薬品の種類・特長

核酸医薬品には構造や標的、作用機序の違いなどさまざまな種類がありますが「細胞の内側で機能」、「外側で機能」、どちらで機能するかで大きく2つに分類することができます。

細胞の内側で作用する核酸医薬品例

メッセンジャーRNA(mRNA)に結合してタンパク質の翻訳(合成)を阻害するアンチセンスや 、mRNAを破壊することで、配列特異的に遺伝子の発現を抑制するsiRNA(small interfering RNA)など

細胞の外側で作用する核酸医薬品例

タンパク質と結合して機能を阻害するアプタマーや、CpG オリゴ(CpGoligodeoxynucleotides)など

主な核酸医薬品の種類・構造・標的

種類構造標的
アンチセンス 1本鎖DNA/RNA13-25塩基
  • ・mRNA
  • ・Pre-mRNA
  • ・miRNA
siRNA 2本鎖RNA21-23塩基 mRNA
miRNA 2本鎖RNA mRNA
デコイ核酸 2本鎖DNA 転写因子
CpG オリゴ 1本鎖DNA TLR9タンパク質

核酸医薬品の意義

核酸医薬品は、低分子医薬品と同じように化学合成でつくることができ、核酸合成機で人工的に作るため、品質的には安全性が高く、規格化が容易です。 mRNAの特異配列のように従来の医薬品とは全く異なる分子を創薬の標的としているため、特異性が高く、遺伝性の希少疾患(脊髄性筋萎縮症やデュシェンヌ型筋ジストロフィー)をはじめ、低分子医薬品や抗体医薬品では治療が難しかった疾患への医薬品が誕生しております。

核酸医薬品の意義

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