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SCIEX・林純薬工業株式会社 共催Webinar 環境食品分析ワークフロー

本ウェビナーは終了しました

2021年9月28日、SCIEX・林純薬工業株式会社 共催のウェビナーを開催いたしました。
100名超と多くの方から参加申し込みをいただきました。お忙しい中、ご視聴いただきました皆様に心よりお礼申し上げます。
今回は「環境/食品分野におけるLC/MS/MS分析の最新ワークフロー」をメインテーマに招待講演として、※北九州市立大学 門上希和夫名誉教授より環境・ 食品・法医学など様々な分野で活用可能な自動同定・定量システムについてご紹介いただきました。
本セミナーの概略をレポートいたします。

プログラム概要

開催日時|2021年9月28日

  • ・はじめに
  • ・標準物質不要の自動同定・定量システムの開発と環境試料への適用
  • ・分析試薬(標準品)の取り扱いチップス
  • ・環境食品分野における質量分析の活用(四重極からQTOFまで)

※ご登壇者のご所属、お役職は2021年9月時点のものです。

多様化する分析ニーズ

環境/食品分野の分析においては農薬など規制された化合物の定量分析が主流でありました。しかし、昨今の事故や事件など緊急性を要する分析や、多数の化合物のモニタリングなど分析ワークフローにも変化が生じています。
多様化するニーズやそれに伴うテクノロジーの進化において、分析者はそれぞれの環境にあった分析手法を選択できるようになりました。

目的にあった分析手法の選択とデータ信頼性確保

各環境や状況における手法の選択(ターゲット、サスペクトスクリーニング、ノンターゲットスクリーニング)は重要な要素であると同時に、データの信頼性確保も重要な要素の一つです。
信頼性確保のためには、定性や定量の際に用いられる際に基準となる標準物質、所謂、「ものさし」自体が適切なものであることに加え、 装置・ソフトウェアの保守・管理、さらには分析手法の妥当性確認や結果の妥当性の確認が必要となります。
分析対象となる化合物数が増大する一方で、入手できる標準物質の数は数千品目程と限られているのが現状です。
今後も新たな化合物が次々に開発され、流通していく中、出来るだけ少数の標準物質で、多数の化合物の定性や定量を行える装置やシステムのニーズ、重要性は益々高まっていくと考えられます。

本セミナーでは、それらのニーズに対応し、様々な分野で利用可能な化学物質の自動同定・定量データベースシステム(AIQS)について、開発者の北九州市立大学 門上希和夫名誉教授よりご講演いただきました。
また、 分析機器メーカーのSCIEX、試薬メーカーの林純薬工業株式会社から、 AIQS-LC関連製品や皆様の明日の分析のヒントになるような情報を盛り込んだ、環境/食品分野におけるLC/MS/MS分析の最新ワークフローをご紹介致しました。

林純薬工業セッショントピックス「分析試薬(標準品)の取り扱いチップス」

【セッション内容】

  • ①標準液の調製フローにおけるチップス
  • ②管理・保管方法の留意点
  • ③AIQS-DB対応製品のご紹介

Pick up「粘性の微量液体サンプルの秤量」を動画でご紹介

①標準液の調製フローにおけるチップスの中で、「ものさし」の選定や秤量する際のチップスを中心にお話しました。
「ものさし」として何を使うか、という点だけでなくどのように作るか?という点も重要です。
検量線作成のための標準液を調製ために、器具選定や秤量操作を行いますが、今回は、ユーザー様から頻繁にお問い合わせをいただくご質問の一つであった「粘性の微量液体サンプルの秤量」をテーマに取り上げました。

微量な液体サンプルを秤量する場合、風袋に薬包紙を使用したり、パスツールピペットを使用するとロスや吐出そのものが困難となる場合があります。
化合物の物性や量に併せて、適切な器具選定、操作を行うことが重要となります。
今回は、バイアルの壁に液体サンプルが飛び散ってしまっている状態から採取するという事例も踏まえ、一連の操作を動画でご紹介しました。

AIQS-LCでご活用いただける内部標準Mix

セッション内でご紹介した製品はこちら

AIQS-LC用 内部標準Mix
標準品 1ml×2本・品番 99056217

門上希和夫名誉教授セッショントピックス「標準物質不要の自動同定・定量システムの開発と環境試料への適用」

【セッション内容】

  • ①自動同定・定量データベースシステム(AIQS)開発の背景
  • ②従来の測定法とAIQSの違い
  • ③AIQSの原理
  • ④AIQS-LCの概要と性能
  • ⑤水試料のターゲットスクリーニング分析法
  • ⑥下水処理場への適用
  • ⑦AIQS利用可能分野

自動同定・定量データベースシステム(AIQS)について、開発背景や原理、従来法との違いや利点を分かりやすくご説明されていました。
また、後半ではSCIEX X500R QTOFシステムを用いたAIQS-LCについて、測定原理 (SCIEX SWATH®)、測定条件、登録情報、性能や水試料の適用例をご紹介されていました。
AIQSをご存知でない方、そもそも、なぜそのようなことが出来るのか?利用可能な分野は?といった疑問をお持ちの方や検討中の方だけでなく、標準物質の入手や維持・管理に課題感を持たれている方にとって、非常に参考になるご講演内容でした。

SCIEXセッショントピックス「環境食品分野における質量分析の活用(四重極からQTOFまで)」

トリプル四重極型とTOF型の質量分析装置について、それぞれの原理や利点・特徴、分析法選択をSCIEX様ならではの強み(高感度と堅牢性の両立、充実したライブラリーの提供など)や測定例を踏まえ、分かりやすくご説明されていました。
講演後のQ&Aやアンケートでは、特にAIQS-LC法で用いられるX500R QTOFシステムやそれらで提供している専用データベースに関するご質問を数多くいただきました。

まとめ(感想)

セミナーレポートまとめ

今後、多様化する分析ニーズに併せて、AIQSのように標準物質を不要とし、高効率、低コスト、省力、省資源且つレトロスペクティブ分析が可能なデータベース法の重要性は益々高まっていくと感じます。そして、それらに伴い、より高性能な質量分析装置やソフトウェア、データベースの拡充が求められると考えられます。
既にアンケート内でもご要望をいただきましたが、装置性能評価物質や新たな内標(例えばネガティブモード用やサロゲート物質の追加)の整備も必要になると予想されます。

当社は試薬メーカーとして、それらの安定供給や情報開示、ニーズに併せたラインアップの整備等を通じて、AIQSの基本原理である同一条件の実現のためのお手伝いをしていきたいと考えております。

【林純薬工業セッション】粘性の微量液体サンプルの秤量動画を限定公開中

林純薬工業が発表したテーマのうち、Q&Aでもご質問をいただきました「粘性の微量液体サンプルの秤量」を特別編集し動画としてご用意しました。
※視聴は試薬ダイレクトの会員登録が必要です。

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粘性の微量液体サンプルの秤量